マルハンダイニング

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2021 イズムの芽 episode 語り継ぐ、代表エピソードをみんなで選ぼう

No.1

一組の老夫婦と
醤油ラーメン

金賞 ポスター

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佐世保店には老若男女、沢山のお客様がご来店される忙しいお店です。お客様の中には、ご遊戯はされず『ごはんどき』でのお食事だけが目的でご来店される方も少なくありません。

時々お見えになる老夫婦もお食事だけのお客様で、奥さまは車椅子に腰掛けられご主人様が押して来られ、奥さまのご注文は必ず『醤油ラーメン』で、横でご主人様が温かく見守られています。

ある日の朝、店舗から私に入電…しかし、他の店舗との通話中で直ぐに出れず折り返し掛け直すと、お客様がごはんどきの開店前に醤油ラーメンが食べたいと仰られ、勝手に出来ず武藤AMに相談して早目に開店し提供したということでした。

それから数ヵ月たったある日、また店舗から入電…今回も別の電話対応中で直ぐに応対出来ず折り返すと、リーダーの伊奈さんから先に一言、『勝手なことしてスミマセン…』と謝罪、 話を聞くと『お客様が醤油ラーメンを車内で食べたい』と仰られて、外に持ち出すのは流石にNGと一度はお断りしたものの、ご主人様が『今日は車椅子を積んでくるのを忘れてしまって店内まで連れてこれない…でも家内が食べたいと言っており、どうしても食べさせてあげたいんです』と言われたことに、何とかしてあげたい!!と思い、先ほど身障者用のパーキングに駐車中の車内まで運んで来ました。今車内でお食事中です、ご主人様が介助してお召し上がりになられるので大丈夫と思います。と…

そして、リーダーは火傷など十分注意されて召し上がられるように、お声掛けもしっかり行い『今度は車椅子を忘れずに積んできてお店に食べに来てくださいね♪』と伝えていました。私は一度もお会いしたことのないご夫婦ですが、ただの我が儘ではなく奥さまの為に頭を下げてまでご主人様がお願いする何か深い理由が、きっとあるんだと思いその光景が目に浮かびました。

それは私が生前母にしてあげたかったことと重なりました。ご遊戯をされるわけでもなく、更に沢山ある飲食店の中で『ごはんどきの醤油ラーメン』が食べたいと思って下さっている一人のファンの願いを『出来ません。』と簡単な一言で終わらせず、何とか出来ないか?と立ち止まり考える優しい気持ちと、一遍通りのサービスではなく、お客様の立場に立って考えアドバイスした武藤AMと、私に連絡が付かず諦めることなくとっさに武藤AMへ相談した佐世保店スタッフの行動をとても嬉しく思います。

ダイニング全体でこういう輪をもっともっと広げ皆が自然に行動できる店舗、お客様に愛される店舗を増やして行けたら素敵だなと思います。

投稿者のひとこと

全ては・・・お客様の灯るい背中が見たいから

投稿者光益 久美子さん

No.2

誰かの生活の一部に
なっている

銀賞 ポスター

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私の働いているさいたま西堀九丁目店は、郊外型の店舗です。店舗を出て裏側には古くからの住宅街があり、年配の方々がたくさん住んでいらっしゃいます。歩いて行ける距離に店舗があるので、買い物はもちろん支払いやら何やら事あるごとに来店して頂いています。

その中の一人で、あるおばあさんのお話しです。そのおばあさんは一人暮らしで、普段の食事とかなどはよくファミマの惣菜を買ったり、土用の丑の日はうなぎ予約してくれたり、2月になれば恵方巻きなど昔からのお得意様です。そんなおばあさんがいつものように買い物に来ると、『今日は何か安いものある?』と必ず私のところへ来てくれます。毎週、今日はこれが安いよ!と案内するのが私のルーティーンとなっていました。

ある日、いつものように買い物を終え、家に戻ったおばあさん。しかし、5分後にはまたお店に戻ってきました。『どうかされました?』とお声掛けしたら、返ってきた言葉は『家の鍵がないの。どこかに落ちてなかったかしら?』と。結局店内を一緒に探しましたが見つからず、そのままおうちに帰られました。後日来店された時に確認したら別のところにしまってあったようで大丈夫だったとの事で一安心。

ところが、それはただの思い過ごしではなかったのです。それから、しょっちゅう来店されていたのに少しずつ回数が減り、来店されてもカードがないとかクーポンがなくなったとか少し心配するような様子が見受けられるようになりました。

そしてパタッと来店がなくなり…程なくして男性のお客様から声を掛けられました。その方はあのおばあさんのご長男の方でした。実は数日前に亡くなりましたとのご報告でした。あまりにも突然の事で、その場では大したお話しが出来ませんでしたが後日、遺品整理などで何回か来店された時に色々お話しさせて頂きました。普段の買い物の様子やこの商品がお好きでしたなどお話ししていたら、ご長男の方から一言感謝の言葉をもらいました。『今まで色々母の事、有り難うございました』と。時々、ご長男の方がおうちに行った時にお店でこれを買ったよ。とか、これがお勧めらしいわよ。とか嬉しそうに話していたそうです。普段の何気ないやりとりがそのおばあさんにとってかけがえのない生活の一部になっていた事を知り、自然と涙がこぼれました。

これからもどんなお客様に対しても明るく親しみのある店員になれるように、誰かの生活の一部になれるように努力していきます。

投稿者のひとこと

毎日の接客の中で、2020年一番心に残っていた出来事です。

投稿者金澤 薫さん

No.3

異国で働く努力家たち

銅賞 ポスター

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2019年、2人のネパール人が串カツ田中金町店へやってきました。その名はタパ・シシルさん、バンダリ・タラさん。お二人は日本語学校卒業後、就職活動を経て飲食業界を選んだそうです。私は何故、この業界を選んだのかお二人に聞くと、「いつかは自分のお店を持ちたい」という壮大な夢でした。私は心が熱くなり、早く一人前に育てたい、そして活躍してほしいと思いました。

しかし、日々不安は募る一方でした。なぜなら、少しでも難しい文言や早口になると言葉が通じない、理解してもらえない事の繰り返しだったからです。これでは、業務は覚えてもらえても、ホールでの接客は任せられないと思いました。

数日後。お二人は驚くことを伝えてきました。「すごく緊張はするけど、お客様の接客に挑戦したい」という内容でした。そのチャレンジに背中を押してあげたいと思うと同時に、お客様からのクレームや常連のお客様が離れてしまうのではないかとも考えました。

それでも二人の想いは変わらず、毎日、紙とペンを片手にオーダーを取りに行き、仲間からのフィードバックを真摯に受け、一生懸命メモを取り続けていました。

するとお客様から「バンダリさんいないの?タパちゃんは?」という声が日に日に増えていったのです。これは二人の全力で望む姿勢がお客様に伝わった瞬間だと気付かされました。日本で働く厳しさ、緊張や不安、たくさんの事を抱えているのにも関わらず、それでも前を見て挑戦し続ける姿は私達には図り切れない挑戦だと関心させられました。

今では金町店のマスコットキャラクターとしてお客様からも愛され、スタッフからも信頼されるほど成長しました。

投稿者のひとこと

異国で働く根性と努力は確実に夢への一歩に繋がっている。

投稿者作宮 衛さん

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